「リテラシー」というのは、一般には言語の読み書きや、文化を理解する能力を意味します。昨今では、コンピューターの操作に慣れ親しむための、コンピューター・リテラシー教育というものが盛んに行われています。
科学技術リテラシーというのも、それに類するもので、我々が日常接する自然の現象や、さまざまな機器の動作原理などを理解する能力を指します。現代の我々の生活は、科学時術の進歩による大きな恩恵を受けています。年々、高機能化・小型化する携帯電話などの情報端末、病気の早期発見・治療などの成果を上げているハイテク医療機器、交通機関や建築物の耐震設計など、例を挙げればキリがありません。

その反面、これらの科学技術の成果は、高度な専門知識がなくても誰にでも使える、恩恵が受けられるという利便性を優先するあまり、そういった科学時術を理解する機会を奪っているという指摘があります。事実、OECD(経済協力開発機構)などの調査によると、先進国の若年層の科学技術リテラシー能力の低下が強く懸念される結果が多数報告されています。
つまり、現在の科学技術の水準を維持・発展させながら次の世代を受け継ぐべき人材が不足するという、危機的な状況が生まれつつあると、懸念されています。

基礎理工学科では、次の世代の科学技術を担うべき人材の育成のために、科学技術リテラシー教育に積極的に取り組みます。