聞きなれているようで聞きなれていない言葉だと思いますが、基礎理工学科で、科学や数学の基礎を身につけたあなたにとって、それは強力なツールとなります。モデリング・シミュレーションの技術は、製品開発などの工業分野から、医療、建築、金融や各種研究機関で必要とされています。
二つの例を挙げてみましょう。
A.製品開発におけるモデリング・シミュレーションの手順
1 | アイデアやニーズを元に、製品の仕様を決定する。 |
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2 | 仕様上のイメージを具体的な設計図にする。 |
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3 | 設計図を元に、製品の物理学的な特徴を抽出しモデリングを行う。 |
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4 | モデリングされた情報を元に、シミュレーションを行う。 |
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5 | シミュレーションの結果が仕様を満たしているかどうか調べる。満たしていなければ、設計図を見直す。 |
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6 | 仕様を満たしていることが確認されれば、デザインやコストなどを検討して、製品化する。 |
B.自然現象や社会現象を再現・予測するためのモデリング・シミュレーションの手順
1 | 注目する現象を観測し、その観測データを分析する。 |
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2 | 分析結果を元に、その現象が従っている数学や物理学の法則を見つけ出す。 |
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3 | 見つけ出した法則を元に、現象のモデリングを行う。 |
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4 | モデリングを元に、シミュレーションを行う。 |
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5 | シミュレーションの結果が観測結果と一致するかどうかを検証する。一致していなければ、モデリングの過程を見直す。 |
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6 | シミュレーションと観測結果が一致していることが確認されたら、同じモデリングが当てはまりそうであると予想される未知の現象に、そのモデルを当てはめてみる。 |
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7 | 未知の現象に対して、シミュレーションを行い、結果を予想する。 |
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8 | その結果を元に、将来の計画や対策を考える。 |
モデリングとシミュレーションは一体で語られることが多いのですが、モデリングやシミュレーションに特化した研究も盛んに行われています。基礎理工学科では、モデリングの得意な人、シミュレーションの得意な人、両方を総合的に学びたい人、それぞれに合わせた教育と指導を行います。
モデリングやシミュレーションに関する様々な話題が、各教員によって語られています。理工学的物語や高校生の皆さんにのページに掲載されています。読み応え十分ですのでご一読ください。