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坂田定久 教授,工学博士

略歴

中学1年時の担任教員の,学校の教師なんかになったらアカンという言葉の繰り返しに,天の邪鬼の本姓からか,教師になろうと決意。高校卒業時に,担任教員であった安藤洋美先生に大学院に行く積もりで勉強して教師になりなさいとそそのかされ,調子に乗ってその気になる。1968年に甲南大学理学部に入学の後,真剣に勉強しないといけないと自覚するも,70年安保騒動を発端とする全国的な大学紛争が始まる。紛争を横目に,少しずつ数学の勉強の方が面白くなる。このころが一番無邪気に勉強を楽しめた時期であったような気がする。そのうち,気がつけば,幸運にも大阪大学大学院基礎工学研究科に潜り込んでいた。山本稔先生のもとで常微分方程式の安定性を学ぶが,腎臓病や腰痛などで思うように研究は進まず,他人が1年ですることを自分は2年かけてするかと諦める。随分と学生身分で過ごした後,1985年大阪電気通信大学工学部に着任。しばらく,ぱっとしない日々を送るが,1990年京都で開かれたICMの際,久しぶりに会った三村昌泰先生の言葉に思うところがあり,研究のスタイルを変える。即ち,落ち穂拾いと重箱を突くような細かいことは止める。1997年より時間遅れを持つ微分方程式の研究に入り,現在まで続いている。

専門分野

時間遅れを持つ微分方程式

最近の主な結果

  1. Asymptotic stability for a linear system of differential-difference equations, 坂田定久,1998年 Funkcial. Ekvac.,41,435-449 
  2. Stability sets for linear differential-difference equations with two delays, 坂田定久,2000年 Dynamic Systems and Applications, 9,569-594 
  3. Stability regions for linear differential equations with two kinds of time lags, 坂田定久,原 惟行,2004年 Funkcial. Ekvac., 47, 129-144

研究紹介

物理的,工学的現象や経済現象あるいは生物学的現象を数学的モデルを用いて表し,これを解析する方法は広く用いられている。過去のデータや既に分かっている事実から,その現象を巧く表していると思われる数学的モデルを作り,それから予測される将来に起こる結果,事象を前もって知るのが目的である。例えば,...>続きはこちら

高校生の皆さんに向けて

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合理的な考え方の持ち主であったアリスタルコスは2千年以上も前に,地球や太陽は球体であるとし,地球は水星や金星とともに太陽の周りを回転していると考えた。>>続きはこちら

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ジェームズ・ワットの蒸気機関など英国で始まった産業革命の最中の1798年に,マルサス(英国1766−1834)は人口増加による危機の到来を訴えた。>>続きはこちら