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アリスタルコス(BC310-230)はどうして地動説を信じたか?

合理的な考え方の持ち主であったアリスタルコスは2千年以上も前に,地球や太陽は球体であるとし,地球は水星や金星とともに太陽の周りを回転していると考えた。何故なら,巨大な太陽がちっぽけな地球の周りを回っているのは合理的でないと考えたからである。アリスタルコスはこの事実を簡単な三角比(三角関数)の知識を用いて,結論づけている。
アリスタルコスは月が自分で光っているのではなく,太陽の光を反射して光っているに過ぎないということを知っていた。そこで,半月の時の太陽,月,地球が直角三角形の各頂点の位置にあることから,三角比(正確には正弦比であり,古代においては弦の値と呼ばれていた)を用いて,太陽・地球間の距離と月・地球間の距離の比が18:1から20:1の間にあることを導き出した。更に,日食や月食に関する情報から太陽と地球の直径の比が19:3から43:6の間にあること,それ故,体積比は約254:1から368:1の間にあることを導き出していた。従って,地球よりもはるかに大きな太陽が小さな地球の周りを回っているということは信じ難いことであった。

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