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確率モデルの世界:ランダムウォーク

ランダムウォーク

数直線の原点に駒を置きます.10円玉を投げて,表が出たら正の方向に一歩,裏が出たら負の方向に一歩動かします.

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これを繰り返すとき、駒の動き方には何か法則性があるのでしょうか.この確率モデルはランダムウォークと呼ばれ,古くから研究されています.Roadを道路と訳すように(!?)ちょっとしゃれて乱歩と訳したり,お酒に酔ってふらふらと道を歩く人の動きになぞらえて酔歩と言ったりもします.株価の動きを調べる計算の基礎になるなど,応用上もとても大切です.

強化ランダムウォーク

ある街を初めて訪れました.来た道を忘れないように,(本当はいけませんが)パンをちぎって落としながら歩きます.パンのかけらのある方向には動く確率が高くなります.

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さて,この街の探検はどのように進んでいくでしょうか.この問題は,強化ランダムウォークと呼ばれる確率モデルの一種で,once-reinforced random walkと呼ばれています.動く確率がそれまで歩いてきた道筋によって変化しますから,その挙動を調べるのはなかなか難しいです.

酔っぱらいは家に帰れるか

数直線のような1次元の世界の場合,ランダムウォークの挙動を調べる技術は比較的発達しています.より現実に近い2次元,3次元,4次元(…!?)ではどうでしょうか.通常のランダムウォークの場合,出発したところに戻る確率など,既にいろいろな性質が研究されています.一方,強化ランダムウォークの場合は2次元でも大変計算が難しく,これは現在最も注目を浴びている問題の1つと言えるでしょう.

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