研究関連情報
京都市生まれ.小さい頃はいろいろな電気製品に興味をもち,将来電気に関係する仕事ができたらなあ,と何となく思っていました.
小学校の高学年になってプログラミングにも興味を示し,パソコンもないのにいろんな本を読みあさったりしていました.そのころは国語と歴史が好きで算数はふつう,理科は苦手でしたから,ちょっと不思議な気もします.
中学生になって,友達に誘われてオーケストラ部に入り,クラリネットを始めました.中学・高校時代は音楽とともに過ぎていきました.今も細々とですが演奏を続けています.
大学は電気電子工学の学科に進みました.数学は苦手な方だったのですが,教養の数学を教えて下さった先生の授業がとても楽しく,専門の科目でも工学で使われる数学の話に不思議と面白さを感じました.でも,そのときは,後に数学を専門にするとは考えもしませんでした.
大学3年のときに,ふとしたきっかけで偶然受けた授業が確率論で,ほとんど予備知識がなくても理解できる面白い話をたくさん教えて頂きました.一気におもしろくなり,とうとう数学を専門とするコースに進路を変更してしまったのです.卒業研究でパーコレーションと呼ばれる問題に興味をもち,大学院に進んで研究を始めました.神戸で大学院を修了した後,港町つながりで(?)横浜に移って研究を続けてきました.
基礎理工学科の誕生と同時に大阪電通大に赴任しました(一度は電気の道に入りながら遠ざかった私が「電気」と名のつく大学に勤めることになり,不思議な気持ちがしたものです).5年目の春を迎え,新たな気持ちで頑張ります.学生の皆さんが楽しく数学を身につけられるようお手伝いしていきたいと思います.
確率論.
基礎専門科目
前期:多変数の微積分,線形代数1[四條畷]
後期:基礎解析・演習,線形代数2[四條畷]
専門科目(基礎理工学科)
前期:確率モデル入門
後期:統計モデル入門
ゼミナール(基礎理工学科)
前期:数理モデリングゼミナール
後期:基礎理工学入門,プレゼミナール
教職科目
前期:代数学1[四條畷]
卒業研究
確率論および関連する様々な話題について研究を進めていきます.
身近な問題から確率論という数学は生まれました.様々な現象に対して,確率の考えを取り入れたモデル(模型)をつくって調べます.
スポンジのように,たくさんの穴が「でたらめに」あいているような物質には,水がどのようにしみこんでゆくのでしょうか.この現象の確率モデルはパーコレーション(percolation : 浸透)の問題と呼ばれ,私はこれを中心に研究しています.実は,浸透そのものに限らず,果樹園での病気の伝染や電磁石における磁性の現れ方など,他のいろいろな現象とも関係していることが知られています.
最近は,インターネットのような複雑なネットワークの確率モデルと,その上の確率過程(ランダムウォーク,コンタクトプロセスなど)の振舞いとの関連に興味をもっています.
また,「記憶の飛ばない酔っぱらい」も研究課題のひとつです.
浅倉史興,竹居正登.(2011). 基礎コース 確率・統計,学術図書出版社.
(本年度は大阪電気通信大学限定版として出版します.基礎理工学科「確率モデル入門」および「統計モデル入門」で使用します.)
Takei, M. (2011). Some remarks on supercritical behaviors in first-passage percolation, preprint.
Higuchi, Y., Takei, M., and Zhang, Y. (2010). Basic techniques in two-dimensional critical Ising percolation with investigation of scaling relations, preprint.
Takei, M. and Takeshima, M. (2008).
Phase diagram for once-reinforced random walks on trees with exponential weighting scheme,
Statistics and Probability Letters 78, 3000-3007.
竹居正登,今野紀雄,(2008).
複雑ネットワーク上の確率モデル,
日本ロボット学会誌 26-1, 10-14.
Keane, M. and Takei, M. (2007).
Percolation in lattices with large holes,
Research Report KSTS/RR-07/006, Department of Mathematics,
Faculty of Science and Technology, Keio University.
(慶應義塾大学理工学部数理科学科のサイトよりダウンロード可能)
こちらです.
世の中,何が起こるか分かりません.身のまわりの偶然(と思える)現象を,確率の考えを取り入れた模型(モデル)を使って調べることが行なわれています.
ニュースなどで株価が時々刻々と変化して行く様子をグラフ化したものをご覧になったことがあるのではないでしょうか.それは大変乱雑に動いているように見えます.このような現象の確率モデルを考える際に基本となるランダムウォークについて紹介します.
スポンジのように,たくさんの穴が「でたらめに」あいているような物質には,水がどのようにしみこんでゆくのでしょうか.この現象の確率モデルであるパーコレーション(percolation : 浸透)について紹介します.